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好文学園女子高等学校

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校長メッセージblog 好文木

2016.11.11

トランプ・ショック

img_0514 大方の予想を覆し、共和党候補の不動産王ドナルド・トランプ氏がアメリカ合衆国第45代大統領に当選しました。開票が進みトランプ氏優勢が伝えられると、為替は1ドル105円台から101円台へと円高に振れ、日経平均は一時1,000円下落、919円安で取引を終えました。ところが、一夜明けると、NYダウは250ドルの値上がりとなっており、円は105円台に戻し、日経平均も1,092円の上昇となりました。まさにジェットコースター相場でした。トランプ氏の勝因についてはマスコミが詳しく分析し報じていますが、人種のるつぼと言われる巨大国家アメリカがグローバル化に耐えられなくなったと言うことではないかと思います。 アメリカは移民の活力と人種のバランスを上手に保ちながら経済発展を遂げてきましたが、自ら編み出した金融工学に基づく金融資本主義が世界を席巻し格差拡大を助長し、ついにその弊害がブーメランのように自らに戻ってきて市民の氾濫を呼び起こしたと考えられます。その口火を切ったのが、トランプ氏の暴言であり、それはアンデルセンの童話「はだかの王様」で、「王様ははだかだ」と叫んだ子供の役を演じたのかもしれません。 グローバル化の推進力はITの進歩です。グローバル化という言葉には、地球は一つという肯定的響きがあります。確かに、便利さや豊かさをもたらしたことは事実ですが、細分化と専門化が進み生活にゆとりや余裕というものが無くなったように思います。グローバル人材という言葉にも英語とITを駆使し世界を股にかけて活躍する人物像が浮かびます。しかし、全ての日本人をグローバル人材にする必要はありません。英語もプログラミングも必要となれば勉強すれば良いのであって、小学校から全員に学ばせる必要性は感じられません。プログラミングについては論理的思考力を育むためと言われていますが、IT化の急速な進展に人材が追い付かない産業界からの要望という側面が強いのも事実です。英国やアメリカで進んでいるからと言って何でも右へ倣えをしているのですが、その本家本元ではEU離脱、トランプ氏の大統領当選といった反グローバル化の動きが強まっています。グローバル化を盲信するのではなく、冷静に考える必要があると思います。教育は何のためにあるのか、産業界の人材を供給するためでも経済成長を担うためでもなく、人々の幸福のためにあるという原理原則に立ち返るべきではないでしょうか。 「海賊とよばれた男」のモデルとなった出光興産の創業者、出光佐三氏は、1966年に公刊された彼の思想・哲学を記した書『マルクスが日本に生まれていたら』のなかで、等しく目指すは人類の福祉・幸福であり、人間社会の平和であるが、マルクスは「物の国」に生まれたから、物の分配をめぐって対立闘争する道を歩かされ、自分は「人の国」に生まれたので互譲互助の道を歩かされたと語っています。出光氏は大阪で金持ちが金の奴隷になっている姿に接し、「黄金の奴隷になるな」をモットーに事業を起こし人間尊重の経営を目指したと言います。彼の生まれた時代背景による多少の古めかしさを考慮に入れても、グローバル化一辺倒に突き進む我が国の政治・経済・教育を考える上で参考になる思想だと思います。

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