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好文学園女子高等学校

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校長メッセージblog 好文木

2017.01.07

読書を通じて歴史に学ぼう

123 今日は3学期の始業式でした。本年度が本校創立80周年、新生好文学園としてスタートして10周年であることを話すとともに、夏目漱石生誕150周年になることに触れ、読書を通じて歴史に学ぶ面白さと大切さを話しました。
 ここ数年、私は漱石に興味を持ち彼の作品を読み直しあるいは新たに読み始めています。私のような生来軟弱な人間にとっては、漱石の小説の主人公である高等遊民には親近感を覚えます。また、漱石の評論を読むと、現代との類似性に思わず笑みがこぼれます。
 明治28年11月25日、『保恵会雑誌』第47号に掲載された「愚見数則」は実に面白い。「昔しの書生は、笈を負いて四方に遊歴し、この人ならばと思う先生の許に落付く、故に先生を敬う事、父兄に過ぎたり、先生もまた弟子に対する事、真の子の如し、これでなくては真の教育という事は出来ぬなり、今の書生は学校を旅屋の如く思う、金を出して暫らく逗留するに過ぎず、厭になればすぐに宿を移す、かかる生徒に対する校長は、宿屋の主人の如く、教師は番頭丁稚なり、主人たる校長すら、時には御客の機嫌を取らねばならず、況や番頭丁稚をや、薫陶どころか解雇されざるを以て幸福と思う位なり、生徒の増長し教員の下落するは当前の事なり」等々なかなか辛辣です。
 昭和元禄と言われる高度成長・天下泰平期に幼少期を過ごし、80年代のバブル期の東京で社会人スタートを切り、その後のバブル崩壊後の長期デフレの中で生きてきた私からすれば、遠き明治は質実剛健の時代の様に思えるのですが、どうやらそうでもなかったようです。維新以降の急激な欧米化による近代化は最近のグローバル化同様、浮足立った欧米礼賛を巻き起こし、日本人の生活スタイルのみならず思考にも大きな影響を与えていたようです。国全体としては日清、日露の両大戦を経て一等国の仲間入りをし、その先に太平洋戦争へ進む精神的素地が出来上がりました。これは戦後の高度成長期を経たバブル期の「もはや欧米に学ぶべきものはない」といった風潮とよく似ています。その結末もまた敗戦とバブル崩壊による莫大な経済的・精神的損失という点で共通性が観られます。
 学校の歴史の授業では、限られた時間の中で通史を教えねばならず、どうしても年号と事件の羅列と暗記というイメージがあり、歴史嫌いを作ってしまっています。学校の授業は歴史という壮大なロマンの目次紹介、入口に過ぎないと思ったほうが良いでしょう。そして、目次に従って、興味ある項目につき様々な著者による本を読むことで、ずずっと奥に入り本当の歴史の面白さに触れてほしいと思います。そしてそのとき常に現在の世相と対比することを加えれば、面白さは倍増し、歴史に学ぶことが出来ると思います。

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