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校長メッセージblog 好文木

2013.06.26

コミュニケーション・ツールの罠

森元首相が「イット」と呼んで失笑を買った時から10数年が過ぎ、IT(アイティ)即ち、Information Technology(情報技術)は益々進化し、ケイタイはスマホ時代、TwitterやFacebook、Lineなど次々に便利なコミュニケーション・ツールが現れ、電子黒板やiPadを授業に使う学校も出てきました。既にアメリカでは教科書がなく、全てパソコンの中に収納され、一人一台のパソコンで授業を行っている学校もあります。このような情報機器を使った授業の良し悪しは議論の余地があると思いますが、それはさておき、短期間でのITの進展には目を見張るものがあります。橋下大阪市長はじめ安倍首相など政治家も多くがTwitterやFacebookを利用して情報発信していますが、その発言が論争の素となり、ブログ炎上などに繋がることもしばしばです。先日の復興庁参事官によるTwitterでの暴言問題は記憶に新しいところです。大人でもトラブルを起こすのですから、まだ未熟な高校生間でのトラブル続出は想定内のことです。件の参事官のような政治的暴言は、高校生段階では「死ね」とか「ウザイ」「キモイ」などと言う常套句が乱れ飛び、相手の心を甚く傷つけることになります。z1s[1]

正直、本校においてもLineでのトラブルは時々発生します。生徒から教員への通報で発覚するのがほとんどですが、いかなる理由があろうとも、相手を誹謗中傷し名誉を著しく傷つけるような発言は、厳正に対処いたします。校長室は常にオープンなので、生徒が相談に来ることもあり、その場合、2時間、3時間と校長室で話を聴くときもあります。雨降って地固まるように、双方の生徒への対応には細心の配慮をすることは言うまでもありません。話を聴いて思うのは、ボタンの掛け違い、言葉足らずによる誤解などから感情が激してトラブルに至るケースが多いということです。自分の意思を正しく伝えることが出来ず、すぐ切れて激昂する傾向があります。当人に面と向かって言えないことを不特定多数に発信する行為は、数を頼みにする卑怯な行為だと思います。自分の思いや意見をTwitterやLineで短い文章で伝えることは、結構難しく、言葉を選び文章構成を考えないと上手くゆきません。国語力と論理的思考が必要です。また、顔を見ての話に比べると、どうしても全てを伝えきれないこともあり、読み手には、いわゆる行間を読むことも求められます。国語の授業で、小説など題材に、こういうことをもっと教えてほしいと思います。国語や社会には、実生活に活かせる材料がいっぱい転がっているのに、教科書の中だけの話で終わってしまっているのはいかにももったいないと思います。

TwitterやLineやメールは、業務連絡には極めて有効なツールですが、複雑な問題については会ってじっくり話をすることに限ると思います。本来は、人間がその便益のために使いこなすべき情報機器に、人間が振り回され罠にはまっています。機器の操作に気が取られ、相手の立場を思いやるという余裕を失っているからなのでしょうが、一番の原因は、言葉を大事にしていないことではないでしょうか。

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