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校長メッセージblog 好文木

2017.08.24

教員の生産性向上に思う

IMG_0725 8月22日の日経新聞に「教員の生産性向上支援」と題する記事が掲載されていました。このタイトルを眼にしたとき、言わんとすることが直ぐにわかったものの、違和感を覚えました。
 2018年度から経済産業省は教育現場の生産性を高めるための事業を始めます。インターネット経由の外部講師による授業の導入、部活動の指導を外部に委託する取り組み、通知表や連絡帳のペーパーレス化等が例として上げられており、非効率な教員の作業を改善するアイデアを備えた企業を学校に紹介する方針であると報じています。安倍首相が新たに掲げたスローガン「人づくり革命」に絡めて事業計画を進める予定です。
 教員の長時間労働やクラブ活動など過重労働を見直す必要は大いにあると思います。また、仕事のやり方で非効率だと感じることも多々あります。教員は長時間になることを前提に仕事をしている節があります。事の軽重の区別をつけないで仕事をしてしまう則ち優先順位が付けられない、自分の担当業務しか関心がなく学校全体のことが見えないという教員がいるのも事実だと思われます。忙しい時ほど優先順位を考えて仕事をして行けば逆に成果が上がるものですが、優先順位を付けないでだらだらやるためなかなか成果が出ません。また、組織立って行動することが不得手で、自分のクラス、自分のクラブ、自分の分掌にこだわる傾向も歪めません。こういう点に関しては改善をしなければなりません。
 しかし、超が付くぐらいの進学校で、学校が手取り足取り面倒をみなくても自主的に生徒が塾や予備校にも通うような勉強意欲の高い生徒の集まる学校は別として、多くの学校では授業後の補習、生徒指導、クラブ活動など教員の仕事はどうしても長時間にならざるを得ません。悩んでいる、困っている生徒を前に、「ちょっと他の用事があって忙しいから後で」とか「もう遅いから続きはまた明日」とは言えません。特に本校では「それは本当に生徒のためになるか」を全教職員の行動基準と定めており、生徒対応を最優先しています。生徒とのコミュニケーションをとるというのはなかなか容易なことではなく、時間と手間がかかります。そして全て個別対応、正解が一つというわけにはまいりません。
 何らかの成果を出さなければならないことは他の仕事と変わりはありませんが、教育を企業活動と同列に論じることは間違いだと思います。生産性とは、より少ない労力や投入物によりより多くの価値を生み出そうという考え方であり、経済活動には適していますが、人を育てるという長期スパンで多様な価値を見いだせ得ることに対しては、生産性ではなく「無駄の効用」こそ意味を持つと思います。
 この記事はそこまで深く考えた上で書かれたものではなく、非効率な仕事の効率化で教員の長時間労働を改善するというだけの趣旨だと思いますが、「教員の生産性向上」という言葉が、一人歩きする危険性を感じます。

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