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校長メッセージblog 好文木

2018.01.09

アリストテレスの学びの3原則

image 「ローマ人の物語」全15巻を始めその著作はほとんど読んできた塩野七生さんの最後の長編歴史小説「ギリシャ人の物語」第3巻を読み終えました。
 アレクサンダー大王の師匠であった哲学者アリストテレスは、年少の弟子たちに次の三つのことを教えたそうです。①先人たちの考え・行動を学ぶ、即ち歴史に学ぶこと②日々もたらされる情報を偏見なく冷静に受け止める姿勢を確立すること③①と②に基づいて自分の頭で考えて自分の意志で冷徹に判断したうえで実行に持っていく能力を身に付けること。これは今、教育改革の中で盛んに言われている「論理的思考力」や「問題解決力」に他なりません。今から約2400年前の古代ギリシャにおいて既に学びの基本姿勢として推奨されていたのです。
 ギリシャ、ローマ時代のレリーフには、寝そべりながら議論をしている様子が描かれたものがあります。中国の論語は孔子と弟子とのやり取りが書かれています。幕末の松下村塾でも吉田松陰は弟子たちと議論を交わしました。これらはみなアクティブラーニングといえるでしょう。アクティブラーニングは何もアメリカの専売特許ではないのです。
 人の能力を伸ばすあるいは成長を促す方法というものは古今東西を通じて不変ではないかと思います。異なるのは道具であり、それが現在ではICT教育といわれる情報通信技術です。
 教育学者の斉藤孝さんはその著書の中で、アクティブラーニング提唱者のシカゴの小学校での実践は短期間で取りやめとなったというエピソードを紹介されています。結局、基礎基本の知識が身についていないとアクティブラーニングは効果を発揮しないということです。
 ギリシャやローマの哲学者たちや孔子の弟子たち、松陰の弟子たちも書物を通じて基礎基本の知識はしっかりと身に付けていました。従って、従来型の教師による講義形式の授業や暗記、詰め込みが良くなく、アクティブラーニングが良いというものではなく、従来型の教育には基礎学力を定着させる効果があり、それが出来た上でのアクティブラーニングが大切だということになります。PISAの学力検査でも日本の方がアメリカより上の結果が出ています。
 そもそもアクティブラーニングは大学で行われていたものです。欧米の大学では、少人数クラスでテーマが与えられ授業までに膨大な資料を読み込んでディスカッションします。資料を読み原典に当たり、多様な見解を理解し比較したうえで自分なりの考えを導き発表するのですから相当な勉強量が要求されます。学問に王道はないといわれる所以です。
 最近発表された男子小学生の将来なりたい職業のトップに学者・博士が15年ぶりに返り咲いたことが少し話題になっています。近年多くの日本人がノーベル賞を受賞した結果だといわれていますが、ノーベル賞受賞者の多くはアメリカの大学での研究実績がありますが、中等教育までは日本の従来型の教育で育っています。
 鳴り物入りの教育改革でありますが、アリストテレスの学びの3原則(私はそう呼びたいのですが)を当てはめて見えてくる景色はマスコミ等が大々的に報じているものとは少し違ってくるのではないでしょうか。
 今日は3学期の始業式でした。生徒にこのアリストテレスの学びの3原則につき話を致しました。そして、毎月1冊は読書をし、毎日のニュースに目を通す習慣を持つことを勧めました。それだけで飛躍的に世界観が広がるはずです。

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