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校長メッセージblog 好文木

2018.03.01

平成29年度卒業式式辞

学校長 3年生の皆さん、卒業おめでとうございます。保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。今日を以て好文学園での3年間が終わります。みなさんの新しい門出を祝し、私から最後のメッセージを贈りたいと思います。
 人工知能AIの進歩は著しく人間の仕事はどんどんAIに取って代わられ格差が拡大するとの懸念もあります。社会の不確実性は益々高まります。一方で、平均寿命は大幅に伸び、人生100年時代が到来すると言われています。英国の学者によれば、今20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が50%以上あるそうです。メリット・デメリットを伴いながらも、働きかたや生き方は多様化すると思います。社会の変化に敏感に反応し学び続けることが豊かな人生に繋がります。
 人生100年時代ともなれば、一つの仕事で一生を終るのではなく、複数の仕事に就く機会も増えると思いますが、若いうちに仕事の基本は身に付けておくのが肝要だと思います。
 私は大学卒業後、総合商社に就職しました。総合商社はラーメンから宇宙衛星まで大小あらゆる商品を扱っています。私は紙製品の輸入課に配属となり、船積みから為替管理、決算予算集計、営業、クレーム処理等様々な仕事を担当しましたが、失敗も多く周りに随分迷惑をかけたこともありました。しかし、数々の失敗から、論理的に物事を考え、関係者との円滑なコミュニケーションを通じて問題解決を図ることの重要性を学びました。
 私は商社を退職した後、家業の中小企業の経営に携わっておりましたが、縁あって11年前、3度目の職場として本校に参りました。組織の大きさも仕事の内容も異なりますが、最初の職場であった商社での学びが、大いに役立っていると思います。人は机上の勉強で理解したつもりになりますが、実践を通じて始めて腑に落ちるものです。「人は仕事で磨かれる」といわれる所以です。どのような仕事の中にも必ず学びはあります。選んだ仕事の中で、素直に謙虚になって自分を磨いてください。
 昨年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロに『 The Remains of the Day(日の名残り)』という小説があります。第二次大戦時、ドイツとの融和政策に奔走する英国の貴族に仕えた執事の物語です。英国の自然と衰退する帝国への哀愁を背景に、一人の執事の頑なまでに紳士的な生き方を描いています。
 主人公の執事は自らの来し方を次のように振り返ります。「人生が思い通りにいかなかったからといって、後ろばかり向き、自分を責めてみても、それは詮無いことです。私どものような人間は、何か価値あるもののために微力を尽くそうと願い、それを試みるだけで十分であるような気がします。そのような試みに人生の多くを犠牲にする覚悟があり、その覚悟を実践したとすれば、結果はどうあれ、そのこと自体が自らに誇りと満足を覚えてよい充分な理由となりましょう」
 人生は本当に思い通りにはいかないものです。努力したからといってすべてが必ずしも報われるとは限りません。しかし、努力は次の希望へバトンを繋ぎます。大事なのは、挫折力です。失敗から学び次につなげる力、失敗を乗り越える勇気です。
 人生は選択の連続です。どんな学校を選ぶのか、どういう仕事に就くか等選択をしていかねばなりません。また、何かを選んだ時、別の何かを諦めなければならないこともあります。11年前、私が本校に来るという選択をした時にも諦めなければならないものがありました。後になるほど、それは大きかったなと思いました。しかし、人生を賭けるに値する何か価値あるもののために微力を尽くす時、自らに誇りと満足を覚えることができるというのもまた、その選択をした私の実感であります。
 みなさんのこれからの人生においても、度々選択の時はやって来ます。得意の時もあれば失意の時もあるでしょうが、穏健着実に歩みを進め、自らの誇りと満足を覚える価値ある何かに出会えることを願っています。みなさんの健闘を心から祈りつつ私の式辞といたします。

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